グラビアアイドル-3
ビデオ媒体は、2000年代前半に家庭用ビデオレコーダーの規格がVHSからDVD-Videoへ移行し、製造費が非常に安価になった。そのため、個人経営を含む中小製造会社が大量に参入し、毎月の発売本数の増加などがみられるようになり、供給過多状態に陥った。
- 着エロ
着エロは、露出度の高さを売りにしてこうした状況から他社を出し抜いて躍進するために一部の製造会社が執った、経営戦略上の産物でもある。着エロの盛行により、ヌードグラビアや、アダルトビデオとグラビアとのハードルを下げることにつながる。着エログラビアに出演していたモデルがAV女優やヌードモデルに転向する例も多く、2000年代以降のグラビアタレント全体の閉塞感を生みだす一因ともなっていく。
また、こうした露出度の高い制作物が猥褻物になるケースや、出演者が若いと児童ポルノに当たるとして、関係者が逮捕される例や、アダルトビデオへの出演やヌードグラビアの強要問題(強要の有無そのものに対する議論・噂なども含む)も起きている。
ヌードやセミヌード
グラビアの仕事として、ヌードやセミヌードを専門に披露するグラビアタレントも、男性向け雑誌の創刊とともに、長らく存在する。後にモデル、歌手や女優、各種女性タレントなどが、こうしたヌードやセミヌードを披露することもある。90年代からはヌードモデルとグラビアアイドルをもじってヌードルという造語も誕生させた。
かつては太田八重子、フラワー・メグ、ハニー・レーヌ、小松みどり、麻田奈美、大島ゆう子、岩浪とも子、柳沢麻里など、1990年代からは水谷ケイ、秋乃桜子、三浦綺音、斉藤美保、渡辺由架、木内美穂、三浦敦子、仲谷かおり、田中玲那、生田依子、平沙織、寺嶋早紀、大原麻琴、遠藤賀子、前島かおり、河合美果、間宮沙希子、沢田奈緒美、麻丘実希、伊藤かな、綾瀬麻理、星野陽子、白石さおり、梶原亜紀、江口ナオ、のはら歩、河合あすか、小峰佳世、三浦ふみこ、上原綾、麻田かおり、白井夏、桜井美代子、池上麗子、桜井美代子、染谷まさ美、角松かのりなどがおり、以降は藤間瑠依、伊藤ミライ、坂ノ上朝美、YUE、祥子、兎丸愛美などの活動がみられる。
ロシア出身のアメリ、ポーランド出身のシルヴィア・パツラ、米国で活動するオオシマ・ヒロミなども知られる。
通常ファッション
一方で、所属事務所の戦略により、将来的に本格派女優として売り出そうとしているタレントの清純なイメージを壊さぬように、あるいは当人が水着を含むセクシャルなイメージのグラビアを敬遠した場合は、極力肌の露出を抑えた浴衣姿やワンピースといった普段着に近い通常ファッションの写真を使用した情緒的作品も、アイドルに清純なイメージを求めているファンには好まれる傾向にある。
また、水着グラビアは“卒業”したものの、グラビア活動を継続するタレント、職業柄セクシーな露出を必要としないフリーアナウンサー・キャスターなどは、概して通常ファッションやセクシーなドレスなどを着用したグラビアを披露していく(後述)。
コスプレ(お菓子系)
最も新しい表現手法に「コスプレ」と呼ばれるものでのものがあり、これはいわゆるおたくの「萌え」文化の影響を受けて生まれた表現方法である。
元は漫画やアニメといった2次元世界の衣装を実際に作成し、自ら着用することで、そのキャラクターになりきって仲間内同士で楽しむ行為(通常彼らは「コスプレイヤー」と呼ばれる)であった。当初はコミックマーケットなどの同人誌即売会で、一部の愛好者が着用し、流行り出したのが始まりである。
その後、インターネットの普及で、自身のブログなどで、コスプレをした姿を写真に写して公開する「ネットアイドル」が急増したが、そういったシチュエーションをそのまま雑誌グラビアに転用したのを「コスプレグラビア」と呼び、人気を博するグラビアタレントも後述のとおり出現している。
これらは独特の世界観をグラビアに持ち込むことになった。
また、コスプレの一環として、学校制服や体操着(ブルマーを穿く場合も)、スクール水着などを着用して、学校生活を想起させる手法がある。こうした手法は前述の清純なイメージを求める手法とは明らかに表現方法が異なり、衣類を着用しただけでなく、身体の形を強調したり、さらに脱衣シーンやその後の見せ下着・水着姿を同時に披露したりと、エロティックさを狙ったものである。これは90年代に創刊してこうした誌面づくりを主にしていた「お菓子系」と呼ばれている雑誌が多用していた。かつて、得てしてこうしたグラビアのモデルとなっていたのは、20歳を過ぎたグラビアモデルなどもいたのであるが、実際に現役の小学生から高校生らがグラビアタレントとなって、披露している場合が多い。